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一冊の本から徹底的に学ぶ [日本研究所]

 
 こんにちは、西久美子です。

 私は、小中学生を対象に国語を教えています。
 ですから、毎日、たくさんのお子様や保護者の方にお会いします。
 お会いするたびに思い知らされるのは、読書の質と量の低下です。

 職業柄、
 「どんな本を読みますか」とお子様に尋ねることも多いのですが、
 「ほとんど読まない」という答えが大半を占めます。

 夏目漱石、森鴎外をはじめ、長い間日本人に親しまれてきた
 作品を日常的に読んでいる子供は、
 極めて少なくなっています。

 同様の質問を保護者の方にもさせていただくと、
 「実用書やビジネス書以外は読んでいません」
 というお答えをいただく事がほとんどです。

 親が読まないのですから、子供が読まないのも当然です。

 本を読まない子供が大人になったらどうなるでしょうか。

 大人になって初めて漱石を手に取るのでしょうか。

 このままいったら明治大正の作品言うに及ばず、
 昭和30年代の作品でさえ、国文学専攻の研究者だけが
 読むようなものになってしまうのでしょう。

 また、良い文章を読まずに、良い文章を書けるようになることは
 ありません。
 良い文章を生み出し、それを評価し伝えていくことが
 できなくなります。

 こういう状況が拡大再生産され続けたらどうなるでしょう。

 大げさでなく、日本から文章が消えようとしているのです。

 このままだと、国語が失われてしまう、とさえ思います。

 なんとかしなければ。

 焦燥感が私を駆り立てます。

 どうしてこんなことになってしまったのでしょう。

 つい百年前の明治時代、日本人は古典が読め、漢文が読め、
 漢詩を詠むことさえできたのです。
 武士階級の出身ではない、伊藤博文でさえも、
 優れた漢詩を沢山遺しています。
 明治の政治家・軍人にとって漢詩を詠むことは普通のことだったのです。

 では、どうしてこれほどの実力をもっていたのでしょう。

 それは、彼らの受けた教育に秘密があります。

 彼らの受けた教育は、四書五経の素読です。

 四書五経を、何度も何度も繰り返して読み、
 空で言えるまで音読して、自分のものにしていったのです。
 そして、一文一文しっかりとした意味も教えられていました。
 古き良きものから徹底的に学ぶことは、学問の王道なのです。

 結論から言えば、
 この学習法を現代に蘇らせればいいのです。

 否、なんとしても蘇らせなくてはならないのです。

 いろいろな試行錯誤の結果、私は次のような学習法を提唱いたします。

 1.「日本書紀」をテキストにします。
 2.発声法は能などに伝わる伝統的な呼吸法をもちいます。
 3.発音は古代日本語。
 4.読み方は、一音一音を区切って読んでいきます。

 詳しくは、URLを見てください。
 和の呼吸法      http://jpni.jp/?p=152
 古代日本語による発音 http://jpni.jp/?p=154
 一音一音読み     http://jpni.jp/?p=149

 このやり方で何度も何度も日本書紀を音読していきます。

 この音読を継続すると次のような変化があります。

 読めたらいいなと思いながらも、手に取ることさえ思いもよらなかった、
 古典を平気で読めるようになります。
 もちろん、単に読めるのではなくて、
 作者の感じたことや考えた事が、鮮明に受け取れるようになります。
 また、文章を書くことが楽になります。
 書くことの喜びさえ味わえるなります。

 今までの指導経験から、「音読」は大きな効果が期待できます。

 ただし、継続する事が重要です。

 多くの方に音読に継続して取り組んでいただけるように
 何かできることはないだろうか。
 そこで思いついたのが、スカイプによる音読指導です。
 http://www.skype.com

 音読の習慣化が、大変な成果を生むことはわかっていますので、
 これを是非みなさま自身の向上に役立てて頂けたらと思い、
 現代の大いなる武器である、インターネットのスカイプというサービスを使い、
 習慣化のためのサポートを、今回よりスタートしました。

 お互い離れていても、
 優れた文明の利器と、昔からの学習法の両方を使うことで、
 より早く成果がでると確信しています。

 時代を問わず、古代から現代までのあらゆる
 日本語の文章を、深く理解できる感動。

 優れた言語感覚で、自己の思想を深め、それを世に問う喜び。

 一人でも多くの方が、日本人として本来与えられた能力を
 十二分に発揮できるように全力で努力してまいります。

 現在、スカイプによる音読指導の無料モニターを募集しております。
 詳しくは日本研究所メールにてお知らせいたします。
 どうぞふるってご応募ください。

 <参考文献>
 子どもを伸ばす音読革命 松永暢史著 主婦の友社
 
 日本人の身体能力を高める和の所作 安田登著 マキノ出版
 


 西 久美子
 k.nishi@jpni.jp
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