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政治家と人間性 [一日一歩前へ!]

これは、欧米のある政治家の人柄についての評価です。

6歳で母親を亡くし、10歳の時には父親が蒸発。
兄弟達の面倒を見るために、苦学して法律を学び、弁護士となった苦労人。
もともと正義感が強かったらしく、弁護士として、
貧しい庶民の弁護を多く引き受けて有名になる。

性格はとてもまじめ。自分の理論を信じ、
それにしたがって自分の行動を律することができる人物。
金銭にも潔癖。最高権力者になっても自分の屋敷などを持とうとしなかったほど
私生活は至って質素で、紳士的な服装や振る舞いは広く尊敬を集めた。


もし「人間力」という言葉が当時あったら、彼は間違いなく「人間力の高い人」
だったと思われる内容です。
こんな人物がリーダーになったら、いかがでしょうか?
さぞかし日本も救われると思われる方も、いらっしゃるのでは??

さてこの政治家は、一体誰でしょう???




答えは、フランスの「マクシミリアン・ロベスピエール」です。

この名前に聞き覚えのある方もいらっしゃるでしょうか?
そう、フランス革命のジャコバン党の党首で「恐怖政治」を行って
国王ルイ16世とマリー・アントワネットはじめ、
反革命派だけでなく無実の下層階級や子供までも次々と処刑した、
あのロベスピエールです。

ある資料によれば犠牲者数は
「パリで革命裁判所が設置された1793年4月から94年6月10日までに、
1251人が処刑されたのに対し、審理を経ない略式判決が許された僅か47日間で、
パリの断頭台は1376名の血を吸い込んだ。
恐怖政治のために反革命容疑で逮捕拘束された者は約50万人、
死刑の宣告を受けて処刑されたものは約1万6千人、
それに裁判なしで殺された者の数を含めれば約4万人にのぼるとみられる。」

それもひとえに、「自分の理論」つまり左翼思想の親、ルソーの思想に忠実だったからで、
「それにしたがって自分の行動を律」したからなのです。


「人間力」という言葉が一般的になってから、政治家にもそれを求める声があります。
必要ないとは言いませんが、彼を見ると人間力と政治家として優れているかどうかは
全く別のもの、と思いませんか。

ロベスピエールのようにものすごい秀才で、潔癖で腐敗やスキャンダルとも無縁で、
ひたすら国のためを思い、自分の信念に忠実だったとしても、
行動の基となる思想が国民や国家のためにならないことだってあるのです。

特に、経験の浅い若い政治家は信念が定まっていないこともあり、
色々な意味で未知数です。
するとわたくし達有権者は、可能性や政治に対する情熱に対して
一票を入れることがあります。
ですが、どんなに情熱があっても、政治力があっても、人間性が良くても、
思想が間違っていたら全く意味がありません。

政治家は人間性でなく、思想で判断すべきではないでしょうか。


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