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勉強を軽視する大人たち [一日一歩前へ!]

わたくしは子供の教育にはまだ無縁である。学校関係者でもなく、
子供を持つ親でもない。
しかし周りに熱心な教育者がいるお陰と、またいずれ子供を持つようになる
身であることから、子供の教育に並々ならぬ関心を持つようになった。
子供達は日本の未来を背負う大事な存在である。その子供にどんな教育を
すべきか、親としてどんな姿勢が望ましいのかなどを、教育のプロからも、
実際に子育て中の方などからも話を聞いて学んでいる。
今回のテーマは子供教育を取り上げた。教育には素人だが、
日本の将来に関しては真剣に考えている者の意見として、最後まで
読んでいただければ幸いである。

そんなわたくしが、ある疑問を持つようになった。
大人は子供に勉強させることに積極的なのだろうか、ということである。

「子供はよく学び、よく遊べ」と言うが、
学校を休んでまで旅行に連れて行く親。塾に通わせるが習い事の方が多い親。
「成績がいいだけじゃ意味がない」と言ってちゃんと勉強させない親。
お子さんを育てている親の本音を聞くと、勉強を軽視しているなと思うこと
がとても多い。

子供の教育に真剣な親は、小さな頃から英才教育のような特別な教育を
することが多いが、それがスポーツだったらどうだろう?
イチロー選手や卓球の福永愛選手のような、特に優れた選手は3歳頃から
特訓の日々を過ごしてきているから、もしかしたらそうなるかもしれない。
将来有望株だと期待が膨らむだろう。その親や、教育姿勢に対しても
好意的に見られがちである。

しかし、それが勉強になると話は変わる。
前者の例のように同じような熱意で、小学校低学年から塾通いさせ、
休みに旅行も行かないでひたすら勉強させている親を、
一般的にはどんな目で見るだろうか?(わたくしが知る限り、
ここまで徹底して勉強させられている親はほとんどいないのが現実だが)
「まだ小学生なのに勉強ばかりさせて可哀相」
「子供は遊ばせてあげないと不健康」
と言う声ばかり、よく聞く。
勉強させることが、まるで子供へのイジメであるかのようだ。

念のために言うと、子供にスポーツをさせることに反対しているのではない。
同じような教育方針で、それがスポーツか、勉強かの違いだけなのに、
なぜこれほど反応が違うのか。野球やサッカーを熱心にさせるように、
勉強に熱心な親がいてもいいではないか、と疑問に思うのである。
しかし塾に通わせていても習い事をさせたり、旅行に連れて行かないと
罪悪感を持つ親が多いらしい。

いつから、なぜこんな意見が多数派になったかは不明だが、
一昔前の学歴至上主義時代が過ぎて、勉強が肯定的に捉えられなくなっている
ことは確かである。
そのいい例で、よく言われるのが「一流大学卒でも人格がいいとは限らない」
「勉強ができても人間性ができていないとダメ」という格言(?)である。
それを真顔で語る大人がいるのには驚く。
しかし人間性が良くない人は成績が悪くても良くないのであって、それと学力
との関連は全くない。冷静に考えればわかることである。
確かに人間性が素晴らしいに越したことはないが、かといって人間性が知識を
カバーできるものなのか。これも別の問題ではないだろうか。
そのことをさも正しいことのように言う大人がいるが、このような間違った
思い込みは、子供に偏見を植え付け、人生に悪影響を及ぼすもとである。

物事を極めるには凄まじい努力と精神力が必要で、その過程で人間性が
磨かれていくことは、学問、実業、スポーツどの分野も変わらない。
しかし一般的には学力と人間性の両立は難しいもののように言われる一方で、
スポーツは心身を鍛え、人格を高める素晴らしいものと一様に信じられている。
しかし集団強姦、暴力、八百長事件等など、スポーツ選手・関係者が犯す数々
の事件を知ると、その説は正しいのかと疑問に思う。
昔ならまだしも、今はもうスポーツと人格形成はあまり関係がなくなっている
のではないだろうか。

一般的な大人によくあるこれらの現象を観察すると、大人自身が勉強嫌いの
病気にかかっているように思えてくる。大人が勉強を否定したら、その親を
真似して育つのだから、子供も勉強しないし、学力も落ちて当然である。
しかし子供達が勉強しなかったらどうなるか。
彼らがいい大学にもいい会社にも入れないことが問題なのではない。
国が成り立たなくなるのが問題なのである。

国を根本的に支えるものは、ひとえに学問の力である。
例えば、何百万もの世帯に一斉に電力を送ることができるのは、発電施設が
整っており、そのための技術者がそろっているからである。それだけ科学技術
が進んでいるということである。
現代の複雑な政治システムが機能しているのも、証券や株取引が瞬時にできる
のも、学問と研究があってのことである。
わたくし達の生活水準の高さは、今までの学問研究の蓄積の上に成り立っている
のである。
スポーツは国を豊かにするものではない。国が豊かだから、わたくし達も
スポーツを楽しむことができるのである。
わたくし達は日本の豊かさを享受しながら、
このことを忘れてはいないだろうか。

教育はご家庭の考えや事情に基づくものなので、基本的にはいろいろな考えが
あっていいと思っている。が、親の歪んだ考えが子供の学力・精神面の成長を
阻害することが非常に多いことや、それが国を滅ぼす危険性を見て、あえて苦
言を呈した次第である。
子供達の健全な将来のためにも、ぜひ正しい認識をもって取り組んでいただき
たいと心から願っている。

 

 


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